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「えっ?今何て?」

「だからね、お父さんがニューヨークの支社に配属されたの。
だから私も着いて行く事にしたのよ」

聞いてなかったの?  なんて言ってるのは私のママ。



「捺(なつ)の事は、お父さんの上司の菅野(かんの)さんが見てくれる事になったから
来週から良い子でやるのよ?」

「えっ・・・そんなの知らない・・・。私一人で暮らすよ。。。
上司の家なんて気使うじゃない!!」


「大丈夫よ。上司と言ってもお父さんとママの高校時代からの友人なの。
だからそんなに構える事ないわよ」

構える事ないって言っても・・・やっぱり他人にお世話になるのはとても気を使うだろう。。。


そんな考えを巡らせてる時、、ママの口から信じられない言葉が出てきたんだ。

「そうそう!捺と同じ歳の男の子がいるのよーー。」

良かったわね?捺


「はぁ?」

良かったわね・・ってちょっと違う気が・・・。

ありえないっしょ・・女の子ならともかくーーー


「ちょ・・・そんなの困るっ!!」

「あら、どうして?」

なんてキョトンとした顔で尋ねられても・・・困る。。。

「どうしてって・・・ママは心配じゃないの?!
・・・その・・男の子と一緒に住むって事になるのに」


「あら心配なんてしてないわよ?彼はそんな子じゃないしね」



フフフなんて暢気に笑ってるママ・・・・。


つか

普通、年頃の男女を一つ屋根の下に住ませるか?

どこにそんな親がいるっつーの・・・。


ってイヤ・・・此処にいた訳で・・・・。




はぁーーーーー


私の深いため息がダイニング中に響いた